第四章【可笑しな二人組】
クロトと旅をしてそろそろ一か月になった。 一緒に旅をしていて分かったことは・・・こいつは、根っからのドラゴン好きらしいこと素顔を見られるのが嫌いなこと・・・これくらいかな。
俺はというとあんまり顔を見られたくないから度に出る前にフードがついてる服を買いそろえた。そのおかげか俺たち二人は一つの街に入ろうとするたびに門番に止められて説明させられるというめんどくさいことをやってる・・・まぁ、でもフード外すきはないし、あいつも骨取る気がないから怪しい二人組になってる。
でも、俺がグリーンハーミットの【クロトワッサン】を連れ歩いているためにバカなやつ以外は近寄っても来ない。
それはそうと、クロトの方もいつ仲間にしたかは知らないがヴォ二キッサの【ヴォ二】を連れ歩いている。
ん?なんで、俺のドラゴンの名前がそんなおかしな名前かって??
まぁ、俺も好きで付けたんだがな・・・・大きな理由としてはどっかの街で食べたパンの名前とクロトの名前が似てて面白くてつけた・・・・勢いだな完全に・・・
ワッサンは、フルネームで呼ばれるのを嫌ってるけど特攻してくれて俺たちを敵から守ってくれる面では優秀だ。
そんなこんなで、久々にラーダスに帰ってきてのんびりしてたら俺は傭兵で関係なのだがクロトはスカイハイマーの元(今もか?)どっかの部隊の隊長だったらしく呼び出しを食らったらしい。
俺は行く気がないので離れようとしたら「黒狼も来いよ!てか、1人とか緊張でしゃべれるものもしゃべれないわ!」と言われ強制的に連れてこられてスカイハイマーの総督らしいサバサという男の前で二人で並んでる状態だ。
はっきり言って・・・・早く出たい。
周りからの視線は、クロトは尊敬の眼差しだが・・・俺のような傭兵に対しては軽蔑のしているような視線が多い・・・昔から慣れてはいるが気分が悪くなるのは事実だ・・・・。
クロトとサバサは二人で何やら話し合っているらしくこっちのことは気にしていない・・・俺のいる意味が良く分からなくなってきている・・・・
周りの視線にも苛立ちが募ってきたため出ていこうかと思っていた時に、サバサという男と話していたクロトがこちらを見てきてワイナディアの呪いのタワーに行かないかと言われた。
暫く黙っていたがただ一言。「好きなようにしろ。」とだけ言い放ちスタスタと会議室から出ていく。
後ろからクロトに叫ばれたが気にしない。俺は傭兵であって私兵じゃない。
だから、周りの意見には口出しはしない。ただ、戦場で生き残ればいい。それが俺だ・・・。 しかし、あいつ・・・・クロトは、それを良しとしない。
その後、暫く辺りを彷徨っていると話が終わったらしいクロトがすっぽんを引き連れて走り寄ってくる。
「なんで、勝手に出ていくのさぁ~。」
等々文句を言っていたが気にしない・・・いや、無視してる。
「お~い、何か言ってくれよぉ~。」
「なぁなぁ~。」
「さっきの気にしてるのか?」
「うっさい。」
俺が無視をして歩いているのをいいことについてきながら延々呼びかけてくる。
仕方なしに、一言いえば逆に黙らずに絡んでくる。
暫くあいつがしつこく絡んできたがいきなり黙った。
気になって振り返れば空を見上げていた。俺も続くように空を見上げれば遠くで何かが旋回しているのがわかる。
普通のエンシェントドラゴンよりも大きく・・・・ならば、オリジンドラゴンかと言われればバモーカクのような鮮やかな青いドラゴンでもない何か二体が暫く旋回してから闇に消えた。
「今のなんだ?ヴォ二、分かるか?」
『俺は、学会の秘術で呼び出されたんだ。外のことなんか分かるわけないだろ。』
「だよねー」
俺は、そのままその闇を眺めていたが隣からクロトとヴォ二の会話が聞こえれば昔父が言ったことを思い出した・・・・・「この世界に居るオリジンドラゴンはバモーカクだけではない。はるか昔、ラーダスの学会が秘術で呼び出した二体のオリジンドラゴンがいた。しかし、彼らはその気高き血脈から呼び出したものを主と認めずにどこかに飛び去ってしまったらしい。」と・・・・実際、見たわけではなかったがもし会えたならば会ってみたいと思ってしまったのはなぜだろうか・・・・わかりはしないがクロトに言えば確実に見つけ出そうとするだろうとは思った。
・・・・・・あぁ、今日もまた平和に一日が過ぎていく・・・・・クロトが来てからこれが当たり前になり始めたかもしれない。
しかし、あいつはスカイハイマーで俺は傭兵・・・・結局は目的が同じなだけで身分は違う。
二人でいるのが当たり前・・・これに、慣れてはいけない。
スカイハイマーと傭兵は相容れない存在なのだから・・・・・。
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今回から、ドラゴンの声は『』で行こうと思います!
てか、更新遅くなって済みません(ノД`)・゜・。
忙しすぎて手が付けられなくなってました(;_;)